Flutter で QRコードを扱う - スキャン編

Android と iOS アプリを同時に開発できる Flutter です.
前回までに、QRコードの表示方法について見てきましたが、最後はスキャン側です。

前準備

QRコードのスキャンができるパッケージはいくつかありますが、今回は、qr_code_scannerを使います。 この記事を書いている時点で、スキャナの中で LIKE が一番多かったのと、ベースになるライブラリとして zxing を使っているためです。

ソースコードは、以下に置いてあります。 developブランチです。

Github - flutter_qr_code

いつも通り、pubspec.yamlにパッケージを追加します。

dependencies:
  ...
  qr_code_scanner: ^0.5.2

あと、Android / iOS で、それぞれプラットフォームの設定が必要です。主にはカメラにアクセスするためです。

詳しくは以下を参照して下さい。

Github - juliuscanute/qr_code_scanner

タイトルにボタンをつける

まず、main.dartを変更して、あたらしく作る画面に遷移できる様にします。

今回は、タイトルバーの右にボタンを追加して、押されたらスキャン画面に遷移する様にしてみます。 (UI/UXは、あまり真面目に考えてません。サンプルなので色々な機能を使う様にしているだけです)

MaterialApproutes:を変更して、新しい画面を追加します。

      routes: <String, WidgetBuilder>{
        ...
        '/scan': (BuildContext context) => QRCodeScanPage(title: 'Scan code'),
      },

タイトルにボタンを追加するところは、以下になります。

    return Scaffold(
        appBar: AppBar(title: Text(widget.title), actions: [
          IconButton(
            icon: Icon(Icons.qr_code_scanner),
            tooltip: 'スキャン',
            padding: EdgeInsets.only(right: 15.0),
            iconSize: 30,
            onPressed: () {
              Navigator.pushNamed(context, '/scan');
            },
          ),
        ]),

AppBaractions:を追加します。 ウィジェットの配列を指定しますが、それがタイトルバーの右側に追加されていきます。

ここでは、IconButtonで、右側に少し余白を追加しています。 押されたら、Navigator.pushNamed()で上で追加したルートに遷移させます。

QRコードのスキャン

スキャンする画面ですが、ほとんどはqr_code_scannerがやってくれます。 アプリ側としては、画面を用意するのと認識された結果を受けた処理だけです。

全体はソースコード (qr_code_scan.dart) を見てもらうとして、キモになるところだけ説明します。

  @override
  Widget build(BuildContext context) {
    return Scaffold(
      body: Column(
        children: <Widget>[
          Expanded(
            flex: 5,
            child: QRView(
              key: qrKey,
              onQRViewCreated: _onQRViewCreated,
            ),
          ),

スキャン画面は、QRViewを配置します。 カメラのプレビューが表示され、画面中にバーコードが認識されたらonQRViewCreatedに指定する関数が呼ばれます。

key:GlobalKeyを設定して、このウィジェットが再生成されないようにします。 (再生成するには、カメラの停止/再開とか処理が面倒になる)

          Expanded(
            flex: 1,
            child: Center(
              child: (result != null)
                  ? Container(
                      padding: EdgeInsets.all(10),
                      child: Text('Type: ${describeEnum(result!.format)}\n${result!.code}'))
                  : Text('バーコードにカメラを向けて下さい'),
            ),
          )

画面には、flexでプレビュー画面の下側に5:1になるように、結果を表示しています。 resultがあるかどうかで、案内を出すか、結果を表示するかになります。

あとは、バーコードが認識された結果で呼び出される関数です。

  void _onQRViewCreated(QRViewController controller) {
    this.controller = controller;
    controller.scannedDataStream.listen((scanData) {
      setState(() {
        result = scanData;
      });
    });
  }

scannedDataStreamは、Stream<Barcode>です。 それをlistenして変化があったら、resultsetState()することで、画面が書き換えられます。

あと、前の記事で書いている Flutter で画像認識 の MLKit でもバーコードスキャンできると思います。

ただし、そっちだと、後処理がちょっと面倒です。

単純な QR コードしか扱わないようなものでは、今回のパッケージみたいなものを使った方が良いのではないでしょうか。

スクリーンショットでは傾いてますが、QRコードは勝手に補正するので大丈夫です。

表示側とスキャン側の両方を見てきましたが、Flutterではパッケージが揃っているものは、かなり簡単に実装できます。 また、今回のものは、Android / iOS とも動作確認してあります。 (ハードウェアを使うものは、やはり実機で動かしてみて確認した方が良いかと思います)